競輪関連・用語集

競輪の簡単なレース展開

まず自転車競技は人間だけでなく、自然とも戦わないといけないということを知っておいてください。例えば、千メートルを1人で走る競技の場合、標高の高いコースで走ると1分を切るか切らないかというタイムが出ますが、普通の土地で走ると、もちろんそんなタイムは出ません。このケースは気圧も関係し、適切ではないかもしれませんが、いずれにせよ、自転車競技における最大のライバルは人間ではないのです。

自然という表現を使いましたが、競輪の場合は具体的にいうと風です。競輪選手は無風状態の場合は時速90~100キロのスピードを出せますが、風の抵抗を受けると60~70キロに止まってしまいます。

そのライバル(もちろん他の選手もですが)を破るため、9人で走る競輪では、おのおのが何人かのラインを組んで、自然との戦いに挑みます。

そのライン先行屋番手マーク屋―マーク屋(3番手回りで前の2人をガードするケースが多い選手)、もしくは先行屋―番手のマーク屋―追い込み選手(切れ味が鋭く、3番手回りから、直線勝負で勝ちにいく選手)が基本的なもので、ラインが長い場合は4番手回りもあります。

レースはバンクを4~6周走りますが、勝負所になるまでは先導誘導員を先頭にして、一列棒状に周回を重ねます。勝負所として各ラインが動きだすのは、333バンクなら赤板。400、500バンクの場合は打鐘か鐘4角あたりです。そこからまず、先行屋が先頭誘導員を交して逃げていきます。これに対して他のラインはカマシ捲りで抵抗します。先行屋がこのままパワーを発揮して、後続を封じて勝利をおさめれば、逃げ切り勝ち。番手のマーク屋がきっちりと捌いて、直線かゴールで逆転すれば、差し切り勝ちとなります。この時2着が先行屋の場合は先行前残り、追い込み選手の場合は突き抜けという言い方をすることも覚えておいて下さい。

しかし先行屋をスピード良く、他のラインが捲ってしまい、勝利をおさめるケースや、切り替え追い上げイン衝きなどで、展開が乱れると追い込み勝ちというのも出てきます。更に複雑化しますが、ラインの先頭を走るのが自在型という、先行屋でないパターンというのもあります。自在型飛び付きという、先行屋―番手のマーク屋を分断するという作戦も使ってきます。番手のマーク屋が非力な時は、結構その作戦は成功しますが、番手のマークが強かったり、貫録者のは時は失敗に終わるようです。

これでなんとなく競輪というものを理解していただけたはずですが、やはり競輪場に出向いてレースを見てもらうのが一番わかりやすいと思う。

専門用語注釈

ライン 大阪ライン、兵庫ライン、九州ラインのように同県、同地区で並ぶ事が多く、先行屋、捲り屋など自力型が先頭を走り、マーク屋、追い込み型が続く。また同期ラインとか、浮いて位置のない者同士で並ぶ即席ラインなどもある。最近は3対3対3と4対3対2のライン三分戦が多く、4対5の二分戦とか、先行(自力型)一車の場合はその後ろをマーク屋が取り合う、おおまかに4種類の形態になる。
先行屋、先行型 通常はあとで説明する捲り、カマシの両方共にこなす。鐘先行、鐘4角先行、HS先行などがある。(鐘4角、HSなどは選手が先頭に立った場所を示す)
番手 (ハコとも言う) 先行屋、捲り屋の後ろ2番手の事。最終主導権を取っている先行屋の番手が最もいい位置なので、取り合いになる事も多い。選手のコメントで「前々ハコ勝負」などと言えば、飛び付いて番手を狙う作戦を匂わしている。
マーク屋、マーク型 自力では動けぬが先行屋、捲り屋にピッタリつけてゴール前に交わしにいくタイプ。
切れ味 マーク屋、追い込み屋、捲り屋の瞬時の回転力、スピード。
バンク 競輪場の走路で選手が走る場所。競馬のトラックと同じ。基本的に333、400、500Mの3種類。近畿では奈良が333、岸和田、和歌山、向日町が400、大津びわこが500バンク。ゴールのある所がHSでスタート地点は通常約20~25M手前にある。
競輪トラックの画像
先頭誘導員 勝負所まで選手の風圧を避けるために一番前を走る人。この人はレース、車券とは関係なく青色と柿色の混ざった服を着ている。
赤板 選手にゴールまで残り何周あるかを知らせる数字が書いてある板。青板が3周前、赤板が2周前、白板が残り一周。一周半前のBSから3角、4角あたりまで残り一周を選手に知らせる鐘(ジャン)を叩くので、この辺を鐘BS(打鐘)鐘3角、鐘4角といい、続いて最終HS、1角、2角、BS、3角、4角、直線とレースは進む
カマシ、捲り先行 まだ全体的にペースが上がる前に、後方から一気に主導権を取りにいく戦法。ラインでいく場合が多いが、単騎(一人)でいく事もある。鐘4角カマシ、HSカマシなどがある。
捲り すでに前の先行ペースが上がっている状態から仕掛けて前団を交わす(飲み込む)戦法。1角捲り、2角捲り、BS捲りなどがある。(捲りの場合1角、BSなどは仕掛けたいった所を示す)。
パワー 先行屋の持久力。ダッシュ力、スピードとは少し違う。
捌き 自分、あるいは自分と連係している選手がいい着順を取るために好位置を確保したり、他ラインの選手を牽制したりする事。マーク屋、追い込み屋に使う事が多い。
差し切り、差し マーク屋、追い込み屋が前を走る先行屋、捲り屋を交わす事
先行前残り 先行屋が後ろのマーク屋に交わされ(差され)2着に残る事。もう少し粘りが甘ければ突き抜けてしまう。
突き抜け 逃げた先行屋、あるいは捲った選手がバテて後ろに続いていた2人以上の選手に交わされる事
スピード 瞬時に仕掛けていくダッシュ力、回転力。自力型でパワー、スピードが兼ね備えていれば鬼に金棒だ。
切り替え 自分のラインが立ち遅れたり、自分の位置が悪くなった時に一つでもいい着順に入るために位置を変えていく事。切り替えたラインが大敗するなどして失敗するケースもある
追い上げ 切り替えとほぼ同じだが、外からかぶせるように上がっていき番手、あるいは勝負圏のある位置を取りにいく作戦。
イン衝き レース中盤なら前の選手のスキをついて内から好位置を狙う作戦だが、終盤では最終3角~4角あたりで内が空いた時に突っ込んで好着を狙う戦法。
追い込み 差しと違って更に後ろにいる選手が直線で内、外を伸びること。
自在型 先行、捲り、差し、マークを展開次第で使い分けるタイプ。
飛び付き レースのピッチが上がる前、あるいはその直後に一番前に出て、動いてきた先行屋の後ろ(番手)を狙う事。この時に飛び付いた選手と初手から先行屋に付いていたマーク屋と番手の取り合いになるが、これを競り合いという。自分に自力型の目標のない選手がする戦法。
貫録者 好位置取りにうるさく、顔が効く選手。マーク屋に限って使う。
競艇ダービー